SmartHRが開発を1か月に縮めたのは、Claude Codeの腕ではなく「区切り方」だった
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SmartHRのエンジニアがClaude Code向けの「ハーネス」を構築し、開発期間を2.5か月から約1か月に削減した。編集部はこの設計手法がAI利用の効率化に示唆を与えると見る。
出典:tech.smarthr.jp(2026年9月16日)
SmartHRがClaude Code用ハーネスで開発期間短縮に成功した
SmartHRの情シス領域エンジニアani氏は、社内プロダクトに新機能を追加する際、従来2.5か月かかると見積もられた開発をClaude Code向けの「ハーネス」を先行して作成することで、ほぼ1か月で一通り実装を終えた。ハーネスはAIエージェントの成果を最大化するための仕組みで、手順を定義したスキルファイル、進行状態を管理するJSONファイル、完了判定用シェルスクリプトの3点をセットにしている。これにより、毎回の指示を口頭で与える必要がなくなり、作業が計画的に進んだ。
開発規模とコンテキスト容量の限界がハーネス設計の背景
今回の新機能は1つの会話セッションに収まらない規模だった。会話履歴が長くなるほどコンテキスト容量が膨張しAPI料金も増加するため、1セッションで扱う範囲を絞る必要があった。また、既存プロダクトのリポジトリに追加するためデグレ発生のリスクが高く、仕様の取り違えによる工数増加を防ぐ狙いもあった。これらの課題から、AIエージェントの動作や進行を制御するハーネス設計が求められたと読める。
ネットの反応
開発効率向上を歓迎する声が多い一方、開発期間の短縮に驚く声も見られた。
歓迎・期待の声
非エンジニアでも開発に参加できる点や、AIが仕様書に基づき詳細なテストコードやバリデーションを自動生成することに期待が集まっている。「非エンジニアが開発できるようになった方が凄い」という意見がある。
懸念・批判の声
開発期間が意外に長く感じるという声もある。「意外と掛かってますね。。」との指摘があった。
別の視点
AIの活用方法として、プロンプトよりテストコードの作成が効果的だと評価する声がある。「プロンプトよりテストコード書くほうがAIには効くっていうのは納得」とのコメントが見られた。
反応の出典:はてなブックマーク(186件)
AI活用の効率化と品質確保に寄与する設計手法
ハーネスはAIエージェントをタスク単位で区切り、状態をファイル管理することで作業の区切りを明確にした。これにより会話履歴に依存せず、APIコスト削減と精度向上につながった。TDD(テスト駆動開発)を取り入れ、各タスクの受け入れ条件を明示することで仕様解釈のズレを早期に発見できる点も評価できる。さらにルールファイルを適用範囲で動的に読み込む仕組みは、モジュラーモノリス環境で他チームへの影響を抑制した。開発者にとって工数削減と品質維持が両立できるメリットがある。
AI任せのリスクと運用コスト増加の懸念も残る
一方で、ハーネス設計は管理ファイルや状態の外部化に伴い運用コストが増す面がある。JSONファイルの分割や仕様・規律の複数ファイル管理は、開発チームの習熟度によっては混乱を招く可能性もある。AIエージェントが想定外の作り込みを行う問題をルールで抑制するが、これもルール設定の不備がトラブルの原因となりうる。さらにデグレ防止には効果的だが、仕様変更や追加要望に柔軟に対応できるかは未知数だ。利用者側の運用負荷が見落とされやすい。
編集部の結論:AI活用で工数削減を狙う人は設計の制御を重視せよ
SmartHRの事例は、AIエージェントを単に利用するのではなく、進行制御の仕組み「ハーネス」を設計することで開発期間を大幅に短縮した点に注目すべきだ。ネット上では「AIにテストコードを書かせるのが効果的」との意見もあり、単純なプロンプト指示よりも制御ルールの整備が成果に直結している。AI活用を検討中の開発者は、単にAI任せにせず作業単位での進捗管理や仕様・規律の明確化を優先すべきだ。 一方でこの手法は運用やルール設定の熟練を要するため、AI利用に慣れていない段階の人は急いで導入せず、まずは小規模なプロジェクトで試すのが賢明だろう。AIを活用した開発効率化の具体策については当サイトのAIスクールの比較も参考にしてほしい。
出典
- Claude Codeで開発期間を2.5か月から1か月に縮めた「ハーネス」の設計手法(tech.smarthr.jp、2026年9月16日)